セーラは、たった一人の家族である
富豪の父親から惜しみない愛を受け、
沢山の豪華な衣服や物を買い与えられ、
学院で特別寄宿生として受け入れられた。
(広い個室にメイドと馬車付きの待遇)
学院の院長・ミンチンはそんなセーラを
内心嫌っていたが、
多額の寄付金があるので
表面上はいつも丁重に接した。
セーラは高貴な雰囲気を持ち、
皆に分け隔てなく接する優しい性格で、
すぐにクラスの人気者になり”プリンセス”
と呼ばれるようになった。
(特に、劣等生のアーメンガード、
最年少のロッティ、使用人の少女
・ベッキーと親しくなった)
セーラは読書家で空想好きで、
自分の部屋で人形のエミリーに
話しかけたり、
自分で作った物語をクラスメイトに
聞かせて楽しませた。
数年後、セーラの11才の誕生日の日、
思わぬ報せが届いた。
インドにいる父親がマラリアで亡くなり、
投資していたダイヤモンド鉱山の事業が
失敗し破産したのだった。
身寄りのないセーラはその日から
屋根裏の暗い部屋に追いやられ、
学院でこき使われることになった。
セーラは皿洗いや掃除、
年少の生徒の勉強の世話や、
お使いなど忙しく働き、
ぼろ雑巾のように扱われた。
クラスメイトたちとは以前のように
話すことはできなくなったが、
慕い続けてくれるアーメンガードらに
支えられ、持ち前の想像力で
辛い現実を物語だと思って過ごした。
続く
ばいきゅあ~🌟
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